Shared Decision Making

患者さんと医療者がいっしょに決める医療:
シェアード·ディシジョン·
メイキング(共同意思決定)

遺伝子とは
GENE THERAPY
監修
 京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻
健康情報学分野 教授 中山 健夫 先生

患者さんと医療者が
いっしょに決める医療:
シェアード·ディシジョン·メイキング
(共同意思決定)

SDM前における、
意向・希望のまとめ方

これまで、SDMについて説明してきました。
大変な作業になりうるのが、患者さんやその周囲の方々がそれぞれの意向・希望をまとめ、医療者に伝えることです。
ここでは、意向・希望を整理するための、代表的な項目をまとめています。

病気に対する治療について

まずは、治療についてです。今ある知識で、以下のことが思い浮かぶかチェックしてみてください。治療選択肢の把握とメリット・デメリットは、まず医療者の説明を聞いて、その後に理解を深めるのも一手です。

  • ご自身の病気に対する治療選択肢が、何個あるか
  • それぞれの治療のメリットとデメリットを理解しているか
  • どのような治療を望んでいるか(例:症状を早く取りたい、入院が嫌 など)
  • 望む治療とメリットが重なっている治療はどれか、逆にデメリットを懸念して避けたい治療はあるか
    (治療選択肢を比較し、優先順位をつける)

病気とともに生きている、
今の生活背景

今の生活について、整理してみましょう。

  • 病気になってから出た症状・できなくなったこと・困っていることは何か
  • (病気によっては完全に叶わないかもしれないが)どのように改善したいか

将来のこと

これからの人生で叶えたいことは何ですか。また、何を大事にして生きていきたいですか。

(以下は具体例です)

  • 旅行したい
  • 仕事や学業を休みたくない
  • 趣味を続けたい
  • 赤ちゃんがほしい
  • (子供)外で走り回りたい

周囲の方々について

あなたにとって、周囲の方々がどの程度重要か考えてみましょう。

  • あなたを助けてくれる/サポートしてくれる人は誰か
  • その人の意見は、どの程度重要か(治療意思決定に影響を与えるか)

意思決定の準備ができているか

  • これまで集めた情報や上記の項目で、医療者と一緒に治療を決める準備ができたか

患者さんとその周囲の方々が上記のような情報をまとめておくと、SDMがスムーズに運びます。

参考)

  • 患者さんのご家族のための意思決定ガイド オタワ意思決定ガイド(日本学術振興会(文部科学省)の研究助成金).
    https://decisionaid.ohri.ca/docs/das/OPDG_Japanese.pdf [2025年5月14日アクセス]
  • 中山 健夫, 藤本 修平編. 実践シェアード・ディシジョン・メイキング 改題改訂第2版. 2024, 日本医事新報社