使用されるベクターの種類により異なりますが、遺伝性疾患に使用されるベクターの場合は、生涯に1回あるいは数回で長期の効果が得られると期待されています。 ベクターに対する抗体(ベクターが細胞の中に入るのを阻止するもの)が存在する場合は、投与できない場合もあります。
親が遺伝子治療を受けても、その効果が子孫に受け継がれることはないと考えられています。 ただし、現在は遺伝子治療が子孫におよぼす影響は不明であることから、治療から一定期間は男女ともに妊娠を避けることが推奨されています。
日本で承認されている遺伝子治療は、専門の医療機関を受診する必要があります。疾患によっては、遺伝子治療を適正に実施できるように、最初はごくわずかな施設に限定していることもあります。 遺伝子治療をお考えの方は、まず主治医とよく相談しましょう。
治療によっては対象年齢が決められています。例えば、日本ですでに承認されている遺伝子治療のうち、脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する治療では「2歳未満」、白血病に対する治療では「25歳以下」とされています。 ※2025年4月現在の情報です。対象年齢は変更される可能性がありますので、最新情報は主治医にお尋ねください。
日本で初めて遺伝子治療の臨床研究が行われたのは1995年です。また、製品として日本で初めて遺伝子治療が承認されたのは2019年です。詳しくは 遺伝子治療の歴史、 遺伝子治療の対象疾患 をご覧ください。
ウイルスベクターを用いた遺伝子治療の場合、投与後にそのウイルスが体液や排泄物に含まれる可能性がゼロではありません。そのため、治療の種類によっては、投与後の一定期間はウイルスの広がりを最小限にするための対策をとることがあります。詳しくは、治療を受ける製品の情報をご確認ください。 なお、ウイルスベクターは一般的に、病原性に関連する遺伝子は取り除かれています。
臨床研究等情報サイト「jRCT」で検索できます(https://jrct.mhlw.go.jp/)。「jRCT」は、日本で実施されている、治験を含む臨床研究全般の情報を見つけることができる公的なサイトです。